運動を激しく行っている間、体には多くの変化が起こります。例えば、糖やタンパク質、白血球のレベルが上がります。さらに、運動は血小板が塊となって集まりやすくなることもあり、それが急性心筋梗塞を引き起こす一因となることがあります。通常、体は血小板の塊を減らすプロセスを同時に増やし、血小板の塊の状態を中和または減少させることができます。しかし、元々冠状動脈が狭窄している人は、運動を激しく行いすぎると、急性心筋梗塞のリスクが高くなります。

急性心停止を知る

急性心停止とは、心臓が即座に体の各部に血を送ることができなくなる状態を意味します。ほとんどの場合、症状が現れる前に既存の心疾患が原因で、本人がそれを知らなかったり、以前に検査を受けたことがなかったりすることがあります。さらに、症状が現れてから1時間以内に患者が死亡する場合、この状態を「サドン・カーディアック・デス」と呼びます。この状態は、心疾患を持っていなくても、また、他の慢性疾患がなくても、誰にでも起こり得ます。

急性心停止の原因

急性心停止は、先天性の心疾患の異常や外的要因により、心臓が突然停止する多くの原因があります。35歳以上の患者では、急性心筋梗塞(Acute Myocardial Infarction)が原因で起こることが多いですが、35歳未満の患者では、不明な原因の肥大型心筋症(Hypertrophic Cardiomyopathy)が多く見られます。これらは運動によって心臓が突然停止するきっかけとなり得ます。

また、急性心停止は若年性冠状動脈疾患(Premature Coronary Artery Disease)や先天性冠状動脈異常(Congenital Coronary Artery Anomalies)など、例えばマルファン症候群のような、他の原因でも起こります。外的要因として、胸に強い衝撃が加わったときなどに急に心臓のリズムが乱れる状態、即ちCommotio Cordisや、競技でドーピングとしてアナボリック–アンドロジェニックステロイドを使用した場合も、急性心停止の引き金となることがあります