心臓病に関する10の誤解を正しく理解する

1)

誤解： 若い人や痩せ型の人、血中脂肪が正常であれば心臓疾患になることはない
真実： 若年層で血中脂肪が正常であっても、心臓疾患の発症可能性は低いが、発生しないという意味ではない。心臓疾患は遺伝など様々な原因で起こり得る。また、運動選手や若年層の間で遺伝性心筋症 (肥大型心筋症) による急性心筋梗塞が発生する場合もある。
 

2)

誤解： 心臓病の人は運動をしてはいけない
真実： 運動は心臓筋を強化し、脳や内臓への血流を増やし、全体的な健康を向上させる。しかし、個々の指導を受けた医師のアドバイスに従うべきである。
 

3)

誤解：脂肪を減らす薬を飲んでいれば、どんな食事もOK
真実： 血中の脂肪は肝臓で作られるものと食べ物から得られるものがあり、脂肪を減らす薬は肝臓で作られる脂肪を減らすが、食事から得られる脂肪を減らすわけではない。脂肪分の多い食事を摂れば血中脂肪値が上がる。
 

4)

誤解： 糖尿病の人で糖尿病薬を飲んでいれば、心臓病や血管疾患のリスクはない
真実： 血糖値をコントロールすることで心臓病の進行を遅らせたりリスクを減らすことができるが、血糖値が高いと細胞が正常に機能しなくなり、血管壁が破壊され、炎症を引き起こし、血管がもろくなるため、脳卒中のリスクが残る。
 

5)

誤解：血中脂肪は中年になるまで検査する必要はない
真実： 若いうちから血中脂肪を検査することで心臓病のリスクを防ぐことができる、特に家族歴がある場合。アメリカ心臓協会は20歳を過ぎたら5年ごとに血中脂肪を検査することを推奨している。
 

6)

誤解： 高血圧は年を取ると普通になる
真実： 高齢者では血管の壁が硬くなるため、普通の人より血圧が高くなりがちだが、高血圧は心臓が血液を体中に送るためにさらに一生懸命働かなければならない状態を引き起こし、心臓発作や脳卒中のリスクを増加させる。そのため、140/90mmHgを超えないように血圧を管理すべきである。
 

7) 

誤解: 女性は女性ホルモンが保護するため心臓病にならない
真実： 心臓病は男性でも女性でも発生するが、特に65歳以上の女性に多く見られる。
 

8)

誤解: 家族に心臓病の歴史があれば、避けられず必ず発症する
真実： 家族歴がある人は心臓病のリスクが高いが、定期的な運動、血中脂肪、血圧、血糖値の管理、体重のコントロール、禁煙によって、心臓病のリスクを減らすことができる。
 

9)

誤解: 心臓病になったら脂肪分のある食品を完全に避けなければならない
真実： 避けるべきは飽和脂肪、水素添加処理をされた脂肪、トランス脂肪である。スナック、ベーカリー製品、クッキー、動物性脂肪を避けるべきである。しかし、植物由来の不飽和脂肪、脂肪酸の多い魚（サーモンなど）、ナッツ類、オリーブオイルなど、体に良い脂肪もある。
 

10)

誤解: 心筋梗塞は必ず胸の締め付け感から始まる
真実： 多くの場合、胸の締め付け感から始まるが、心筋梗塞の兆候は他にもあり、例えば息切れ、息苦しさ、吐き気、頭痛、または不快感が腕、顎、首、背中に感じられる場合もある。心臓病の疑いがある場合は、すぐに病院に行くか救急車を呼ぶべきである。